令和４年４月から老齢年金の繰り下げ受給の上限年齢が７０歳から７５歳に引き上げられ、年金の受給開始時期を７５歳まで自由に選択できるようになりました。

　これを踏まえて、令和５年４月から７０歳以降も安心して繰り下げ待機を選択することができるように制度改正が行われ、７０歳以降に繰り下げ申し出をせずに、さかのぼって年金をうけとることを選択した場合でも、請求の５年前の日に繰り下げ申し出をしたものとみなし、増額された年金の５年間分を一括して受け取ることができるようになります。

　この特例的な繰り下げ増額制度の対象になる方は、次のいずれかに該当する方です。

　①昭和２７年４月２日以降のお生まれの方

　②老齢基礎年金の受給権を取得した日が平成２９年４月１日以降の方

　今までは、繰り下げしようとしてもらわずに忘れていて５年以上過ぎてしまうと、５年以上前の年金が時効にかかってもらえず、不利益を受ける人がいたので、これを改善したものです。

　ただ、５年前に遡って受給すると、当然住民税や介護保険料にも影響してくるので、注意が必要です。それに、やっぱり繰り下げ制度は、長生きできないと意味がないので、６５歳の時に十分検討のうえ、決めないといけませんね。